
酒の<肴 (さかな)>のお話し達
<「ふ~ん」なお話し>を思いつくまま書き込んでいきます。お時間の許す限りお付き合いください。
お酒の話や料理の起源、名称などには「諸説」あり、はっきりと「これが正しい」と言い切れない事も多いようです。
たとえば<Cocktail カクテル>の名前の由来のように良く知られているものでも3説あるような事があります。
(1.メキシコの少年とイギリスの船員とのエピソード説 2.女性の名前説 3.ミックス・ドリンクの名前説など)
ここでは『今現在、さはん治がそうであろうと信じているお話し』としてあくまでも簡単に書き込みたいと思いますので
その点をご了承ください。アップした後誤りなどに気付いた場合はその都度修正・訂正をしてまいりたいと思います。
もし関連する違うエピソードなどをご存知でしたら是非「掲示版」などで教えてください。よろしくお願いいたします。
≪巷では「へぇ~」な雑学が溢れているようですが、そこまでもいかないという意味で「ふ~ん」なお話しです≫
Part 1
[01] 焼酎の分類に「甲類・乙類」という呼び方が使われますが、これは酒税法による区別からきています。
両者の決定的な違いは、甲類が連続式蒸留器で限りなく純粋なアルコールを取り出し、最終的には水を加えた無味・無臭の
クリアな酒であるのに対し、乙類は単式蒸留器を使用し、その原材料の素性を個性として残したままの酒であるということで
しょうか。又アルコール度数においても、甲類が35度未満、乙類は45度以下と定められています。なんだか昔の成績表みた
いな変な呼び方ですが、優劣をつける類のものではないようですね。5年ほど前からさはん治でご紹介して以来今では大ファン
もいる「久耀 くよう」は鹿児島県 種子島の「いも焼酎」ですが、以上の事からこちらは乙類となります。
又この呼び方を嫌ってか最近は乙類を『本格焼酎』と呼ぶ傾向もあるようです。
[02] 酒の品質を表わす表示の中の一つに『アルコール濃度』がありますが、日本では「度数」という言葉で表示されます。これは
容量率を表わし、40度はアルコール分40%の事です。これに対しアメリカやイギリスでは「プルーフ」という単位を用います。
「アメリカン・プルーフ」は容量率を2倍した数値を(40度であれば80プルーフ)表示しますが、「ブリティッシュ・プルーフ」は
度数の側から見ると少し計算が複雑のようです。(イギリス的に考えれば度数の単位の方が難しいのでしょうけれど。)
[03] 世界的に分布するハーブは、その土地その地域で料理の重要な役割を果たしていますが、呼び名が国々で変わります。
トマトと抜群に相性が良いスイート・バジルはイタリアではバジリコと呼ばれます。独特の香りで『大好きか大嫌いか』に分か
れるハーブ 「Coriander コリアンダー」はせり科の1年草。日本ではあまり使われませんが英語圏ではもちろん、タイ国で
は「パクチー」、中国では「香菜 シャンツァイ」、スペインでは「シラントロ」と名前を変え、無くてはならない存在のハーブです。
[04] フランスのボルドーは世界的に有名な高品質のワインを生み出す産地ですが、その中でもシャトー格付けにおいて偉大な
五大シャトーと賞賛されているのが<メドック地区・ポイヤック>の「CH.ラフィット・ロートシルト」・「CH.ラトゥール」
「CH.ムートン・ロートシルト」<メドック地区・マルゴー>の「CH.マルゴー」そして<グラーヴ地区>の「CH.オーブリオン」です。
普段気軽に飲めるワイン達ではありませんが、記念日とかお祝い事に皆で飲めたらいいなぁ。どなたかまぜてください。
[05] 発泡性ワインは世界のワイン生産地においてどこでも大抵造られていますが、有名な「シャンパン Champagne」は文字
通りフランス北東部のシャンパーニュ地方で、限定されたぶどう品種を使い、シャンパン方式と呼ばれる製造方法を経たもの
だけをさす呼び名です。フランスにおいても、他の地域の発泡酒は「Vin Mousseeux ヴァン・ムスー」と呼び区別されます。
[06] アペリティフとして広く世界的に知られるカクテル「キール」。白ワイン(辛口の方が一般的)とクレームド・カシスをミックス
したカクテルです。フランス ブルゴーニュ地方ディジョン市の市長であった<キャノン・フェリックス・キール氏>の名前に
由来しています。(市の公式レセプションなどの折に、このカクテルをふるまったとか)因みに白ワインの代わりにスパーク
リング・ワインを使ったものが「キール・ロワイヤル」、ボジョレーの赤ワインをミックスしたものを「カーディナル」と呼びます。
[07] アイリッシュ・ウイスキー、スコッチ・ウイスキーの名称にはウイスキーを生み出したケルト人の誇りを込めて<ゲール語>
が良く使われる為、英語圏の製品にも関わらず音の不思議さと共に何の意味?と思う事がしばしばあります。「だって名前
なんだから」でももちろんいいのですが、調べてみると…ボウモア(BOWMORE)「岩礁」ラフロイグ(LAPHROAIG)「広い湾の
美しい窪地」と海に関連する意味があり、あの味わい・香りを連想させます。
[08] ジンの生まれ故郷はオランダで、薬用として医師が開発したものが起源です。蒸留したアルコールにジュニパーベリー
(ねずの実)を漬け込み解熱剤として使いました。ジュニパー・ベリーのフランス語「ジュニエーヴル」が後にイギリス人
によって縮まり<GIN ジン>となったそうです。因みに生まれ故郷のオランダでは<GENEVER ジュネヴァ>と呼ばれます。
[09] 日本語では「葡萄酒」。では他の国の言葉では?フランス<ヴァン VIN>、イタリア<ヴィーノ VINO>、ドイツ<ヴァイン
WEIN>、英語<ワイン WINE>など。呼び名や産地は変われどおいしいワイン。そうそう、リオハやラ・マンチャで有名な
スペインでは<ヴィーニャ VIGNA>と呼ばれます。
[10] 食前酒や、カクテル「マティニー」のジンの相棒で有名な「ヴェルモット」。何種類もの薬草・香草を漬け込み、そのエキスを
白ワインに移しこんだお酒です。ワインの分類に入りますがこれを「フレーヴァード ワイン」あるいは「アロマタイズド ワイン」
と呼びます。元々の名称は成分材料の一つ「にがよもぎ」のドイツ語「ヴェルムート」からきているそうです。ワインの銘醸地
<アスティ><バローロ>などがある北部イタリア・ピエモンテ州トリノの「チンザノ」が有名ですが、<ロッソ・ビアンコ・ドライ
・エクストラドライ>などの甘みの違い、オレンジ風味の<オランチョ>、ロゼワインから作る<ロゼ>などのタイプがあります。
ちなみにロッソの赤色はカラメル色素によるもので赤ワインで造っているわけではありません。
[11] 「ワインコルク」は瓶詰め後のワインの品質に深く関わる重要なパーツです。樽の中でワインは「呼吸」していますが、ガラス
瓶に詰められた後の熟成段階においては、外気との接触は避けたいのです。完全なる密閉技術の無い頃、弾力性があり、
打ち込んだ後ピッタリとガラス瓶の口を押さえ、栓をしてくれるコルクの特性が選ばれました。
このコルクは地中海沿岸のポルトガル・スペイン・チュニジアなどに群生する「コルク樫」という樹木からつくられます。しかし
木自体を伐採するのではな<9年かけて再生する樹皮>を計画的に剥がして使う為、私たちがワインを飲みすぎても木が
消えていくわけではありませんのでご安心ください。1本の木で10回はこの樹皮が収穫できるそうです。
[12] シャンパングラスというと平たい形の「クープ型」と細長い「フルート型」の2種類が頭に浮かびます。元々は平たい形が先に
あったようですが、パーティなどの立食の際手に持ったグラスからこぼしてしまうので細長い形が作られたようです。しかしこ
の形の方が立ち上る泡が長く楽しめると今では主流になりつつあるようです。グラスの中の宝石<泡>をいかに美しく立ち上
らせるかはその味わいとともにシャンパンの作り手も細心の注意を払う重要な要因のようですが、シャンパングラスの中底が
三角形に作られているのもこの為にグラスメーカーが理論的に計算した大いに意味のある形状のようです。
[13] ワインの「香り」は「色」「味わい」とともにワインの命です。(個人的には抜栓してグラスに注いだ後ワインの香りを頭蓋骨の
中に招き入れる時が一番楽しく、ワクワクする瞬間で好きです。)この香りの分類にも3種類あって以下のように使い分けが
されています。≪①アロマ:葡萄が本来もつ品種固有の香り②ブーケ:熟成に由来する香り③フレーヴァー:口に含んだ時の
香り≫その中で特にブーケに関しては表現の文言がバラエティにとんでいます。(動物の匂いや雨上がりの森の香りなど)
またまた個人的にはボルドーの赤で、湿った枯葉や土の匂いのするブーケを持つワインが好きです。貴方の好みは?
[14] 「ズブロッカ」というポーランドのウオッカがあります。瓶の中に入っている草は何でしょう?これはポーランド東部に群生する
植物で、野生の野牛「ズブラ」が好んで食べることから「ズブロッカ(草)」、別名「バイソン・グラス」と呼ばれています。野牛の
自然の知恵とあのイメージから「精力増進に効果」などの話もあるようですが真偽のほどはさはん治では良く分かりません。
ただあの風味付けはウオッカの美味しい飲み方の一つである事に間違いは無いと思います。おすすめはやはりストレート。
フリーザーでキンキンに冷やしておりますので何も加えずそのまま<トロリ>でやっていただきます。
[15] 白ワインとともに召し上がっていただきたい料理の一つ「ブイヤベース」。フランス プロヴァンス地方の港町「マルセイユ」で生
まれた料理です。伝統と本物にこだわるのが大好きなフランス人は、この料理でも決まりごとを作り、材料から作り方までの
「ブイヤベース憲章」なる細かいレシピが今なお存在するそうです。そのレシピに照らし合わせるとこの料理に使用する海の幸
は魚のみで、海老や貝類は入らないのだそうです。日本人的に考えると貝など入ればもっとおいしくなるだろうにと思ってしま
いますが元々は漁師の、売り物にならない魚の「ごった煮」料理であったためあまり高価なものは入っていなかったようです。
[16] バーボン・ウイスキーはアメリカの大地と開拓者の精神が生んだ蒸留酒。ケンタッキー州バーボン郡が発祥とされるところか
らこの名前がつきました。「ストレート」という語句をラベルに見かけますがこれは連邦法の規格を満たしている証明です。それ
は①とうもろこしを51%以上含み②アルコール分80度未満で蒸留し③内側を焦がしたホワイト・オークの新樽で最低2年以
上熟成させ④水以外は何も加えず瓶詰めしたものです。ここまでの定義は同じで⑤蒸留後さとう楓の炭で濾過してから(チャ
コール・メローイング製法)樽熟成させたテネシー産のジャック・ダニエルなどのウイスキーは「テネシー・ウイスキー」と区別し
て呼ばれています。
[17] イタリアで生まれ今では国際的な知名度を持つリキュールの一つに「CAMPARI カンパリ」があります。1860年ピエモンテ
出身の<ガスパーレ・カンパリ氏>がミラノにおいて配合・販売したものがはじまりです。キャラウェイ・コリアンダー・りんどう
の根などのハーブ類やビターオレンジなどを配合しほろ苦く、さわやかな飲み口が食前酒として全世界で愛されています。
美しい赤色が魅力ですが、使用材料が胃の働きを助ける薬効成分を持っているというのがいかにも食のイタリアらしい発想
です。「スプモーニ」などのカクテル・ベースにも使われます。
[18] ブイヤベース、ふかひれスープとともに世界3大スープの一つ「トムヤムクン」。辛くて、酸っぱくて、まろやかなタイ国のスープ
です。トムは「煮る・ゆでる」、ヤムは「辛く味付け調理する」、そしてクンは「海老」。ということで「辛い味付けの海老煮スープ」
とでもなりますか。主役は海老ですが、脇役としてかかせない「ふくろ茸」「カー」「バイマックルー」「レモングラス」「パクチー」
などは味わいの点からも、それぞれの持つ薬効効果からも重要な役割を持っています。熱い国のダイナミックな料理のイメー
ジが強いけれど、薬膳スープのような本来の「人の体」と、「環境・食材」を充分に考慮した優しくて繊細な料理のようです。
「グルメ」にだけ流されない昔の料理人ってどこの国の人でも偉いですよね。
[19] 英語圏において「スパークリング・ワイン Sparkling Wine」と称されるものは他の地域ではどう呼ばれているのでしょうか。
フランスでは「ヴァン・ムスー([05↑])」、イタリアでは「スプマンテ Spumante」、スペインでは「エスプモーソ Espumoso」
ドイツでは「シャウム・ヴァイン Schaum Wine」などですが、製造地域やぶどう品種、製造方法などの規格を設け一定の品
質を管理しているフランスの「シャンパン」と同様の呼び方が他国でもあります。スペインのカタルーニャ地方で造られ、このよ
うな規格をクリアしているものは「カヴァ Cava」と呼ばれ、ドイツでは「ゼクト Sekt」と呼び高品質を保障するとともに、他の
製品との区別を明確に行っています。
[20] ブランデーとはもともとぶどうを原料とした蒸留酒をさしていましたが、現在では<果実>を使った酒全般にこの名称が使われ
ているようです。ブランデーの産地として名高いフランスの「コニャック」「アルマニャック」では15世紀には樽での貯蔵もすでに
行われていたという記録が残っているそうです。しかし初めからこうした蒸留酒を造ろうとしていたわけではなく、この地方で造
られていたワインがそのまま飲むには酸味が強すぎ売れ行き不振だった為、オランダ商人によってたまたま蒸留されたところ
その酸味も素晴らしい風味に変わり新しい魅力的な酒に生まれ変わったというのです。名称は現地で呼ばれていた呼び名
<フランス語 ヴァン・ブリュレ(焼いたワイン)>がオランダ語に直訳され<ブラン・デ・ウェイン>そしてイギリス人により縮め
られ<ブランデー>となったそうです。
[21] シェーブルタイプのチーズは、山羊乳のチーズのことです。チーズの起源としては家畜化されたであろう順番からも羊の次で、
牛よりは先に人間とは関わりが出来ていたようなので、牛乳のチーズよりは歴史が古いとされています。独特の香りとコクが
チーズ好きにはこたえられないようです。もう一つのありがたみは牛乳のチーズと違い、「旬」があることでしょうか。年に1回春
に出産した山羊は夏の終わり頃まで乳を出しますが、その乳を使ったチーズは次の年の夏前後が「はつもの」、食べ頃となる
からです。バースコントロールをすることもあるそうですが、食べる餌までこだわれば限界があります。もし寒い時期に出てい
るようなら、ミルクを冷凍などして時期をずらしているかもしれません。また形がバラエティーにとんでいて、一般的な円盤型は
もちろん1口サイズのもの、ピラミッド型のもの、円筒形のものと見た目も楽しいチーズが多いのも特徴です。
[22] 魚醤油、「フィッシュ・ソース」という魚介類を発酵・熟成させた調味料があります。独特の風味や味わいがあり、隠し味などに
も使われます。東南アジアでは一般的な調味料ですが各国でまたまた呼び名が変わりますよ。中国では「魚露(ユイルウ)」、
カンボジアでは「タクトレイ」、フィリピンでは「バチィス」、ラオスでは「ナムパー」、ベトナムでは「ニョクマム」と呼ばれ、一番聞
き慣れているのはやはりタイの「ナムプラー」でしょうか。ちなみに日本でも秋田の「しょっつる」、香川の「いかなご醤油」、
石川の「いしる」が、日本の3大魚醤油といわれています。原料は順番に「はたはた」「いかなご」と魚を使いますが、「いしる」
はいかを原料とする「いかいしる」が一般的に良く知られているようです。
[23] コスト・パフォーマンスの高いワインの生産国といえば、南米のチリでしょう。16世紀にスペイン人の手によりぶどうが持ち込
まれ、ワイン造りも始まったとされています。アンデス山脈を源流とする河の流域にぶどう畑は広がっており、その中でも輸出
用を第一の目的とする高級ワインを造るワイナリーはサンチャゴ周辺に集まっています。有名な産地は<アコンカグア・マイポ
・ラペル・マウレ>などです。盗み飲みを防止する為の「おどかし」から<カシッェロ・デル・ディアブロ(悪魔のセラー)>と名付
けられた名ワインを造るチリ最大のワインメーカー<コンチャ・イ・トロ社>はマイポ・ヴァレーにあります。
[24] 白かびタイプの熟成チーズといえば「カマンベール・チーズ」というぐらい名前が知れ渡っている有名なチーズですがその歴史
をひもとくと、18世紀末フランス ノルマンディー地方「カマンベール村」の農婦<マリー アレル>という女性がこのチーズの
製造方法を確立したとされています。フランス国内ではチーズにもワインと同じように「AOC(原産地統制呼称法)」を適応して
いますので当然「カマンベール村」以外で作られたチーズはこの名称を名乗ってはならないことになります。現在全世界でこの
製法を取り入れたチーズが作られていますが、正確には「カマンベールタイプ・スタイル(風)」とするべきなのでしょう。
[25] フランスは気候・地形・土壌の3拍子がそろったワイン造りに適した国です。国土のほぼ全域でぶどう栽培が行われており、
その品質・格式の上では自他共に認める世界一のワイン王国でしょう。産地はぶどう作りの北限といわれる「シャンパーニュ」
から「アルザス」「ロワール」「ブルゴーニュ」「ジュラ」「サヴォア」「ボルドー」「コート・デュ・ローヌ」「プロヴァンス」「ラングドック
・ルーション」「南西部」(ここに個人的に大好きなタナ種を使ったマディラン・ワインがあるんですよね)そして地中海に浮かぶ
コルシカ島の「コルス」までの南北約900キロにおよびます。その中で4大産地はブルゴーニュ・ボルドー・コートデュローヌ
・ロワールと言われ、さらに東のブルゴーニュは「ワインの王」西のボルドーは「ワインの女王」と呼ばれ賞賛されています。
[26] ロゼワインはその色調から赤ワインと白ワインを混ぜて造っているような気がしてしまいますが、その方法はヨーロッパでは
禁止されています。その製造方法は簡単にいうと、赤ワインの製造過程において「赤色」の成分であるぶどうの皮を途中で取
り除くため、赤く染まる手前の淡い色調になるというわけ。有名なところではフランス コート・デュ・ローヌの辛口「タヴェル」
ロワールの甘口「ロゼ・ダンジュー」などがあります。さはん治でもこの2本はスポット的にお取り扱いしたことはありますが、
今もロングランしているのはボルドー・メドックの<CH. カロンセギュール>による「ロゼ・ド・カロン」です。おすすめです。
[27] 辛口白ワインの代名詞ともいえる「シャブリ」。フランス・ブルゴーニュ地方の最北部、シャブリ地区で造られるワインです。
<キンメリジャン>とよばれる粘土・石灰質の土壌で栽培されているぶどうの品種は<シャルドネ種>で、この組み合わせが
独特の風味を持つ切れ味の良い辛口ワインを生み出します。出来上がるワインは品質により「シャブリ・グランクリュ」「シャブリ
・プルミエクリュ」「シャブリ」「プティ・シャブリ」の4つのアペラシオンに分類されます。シャブリ・グランクリュを生むクリマ(特定
の畑)は、ブランショ・ブーグロ・レ クロ・グルヌイユ・レ プルーズ・ヴァルミュール・ヴォーデジールの7つの特級畑で、ワイン
は5年位ボトル内で熟成しその後なんと20年は保存できるそうです。それだけ高品質ということですね。
[28] さはん治でもたびたびメニューをにぎわす「○○のカルパッチョ」。ではカルパッチョとはなんぞや?イタリア料理の本によると、
ヴェネチアにあるレストラン「ハリーズ・バー」のオーナーが、ある常連女性客にカロリーの心配の少ない肉料理として出した
オリジナル即興料理だったそうです。その料理は牛のフィレ肉を薄切りにしてマヨネーズベースのソースを網の目状にほどこ
したもので肉の赤とソースの白のコントラストがルネッサンス期の画家「ヴィットーレ・カルパッチョ」の作風に似ていたところか
ら「ビーフ・カルパッチョ」と名づけたられたのが始まりのようです。今では肉に限らず素材を薄切りにして盛り付けドレッシング
やソースをかけ生でいただく方法として世界中で定着している料理名です。「洋風刺身」といったところですか。
[29] 匂いが強烈で、食いしん坊のさはん治スタッフでも苦手が多い「ウオッシュ・タイプ」のチーズ。熟成させていく過程において表
面を塩水やマール酒[38↓]などの蒸留酒で文字通り「洗いながら」育てていきます。表面に湿り気を持たす事により、熟成に
関わる細菌と酵母に最上の環境を保つ事がそのねらいです。また発酵の際に生じる「粘り」を取り、塩分の浸透や腐敗を防ぐ
意味合いもあります。代表的なものでは「マンステール」「リヴァロ」「ポン・レヴェック」「マロワル」「エポワス」などのフランス産
と「タレッジオ」などのイタリア産のものがあります。「だまされたと思って味は保障しますから鼻をつまんで召し上がってみてく
ださい。」と半分冗談でおすすめしたりもしていますが、味わいは意外となめらかでマイルド。ハマる方も多いんですよ。
もちろん「ダマサレタ」ままの方もいらっしゃるんですけれど・・・。それらの方々「ゴメンナサイ・・・」
[30] 今ではイタリア料理のみならず、あらゆるジャンルの料理の隠し味、フィニッシュとして使われる「バルサミコ」。この調味料も
250mlで500円程度のお手軽なものから、100ccで1万円~3万円ほどもする「Tradizionale」の格付けのついた最高級品まで
が幅広くあります。生産地はイタリアの「モデナ」や「レッジョ・エミーリア」で、ワインで言うと「ランブルスコ」などで名の知れた
エミリア・ロマーニャ州になります。生産地、使用するぶどう品種、製法、12年以上の熟成などを厳しく管理しクリアしたものが
「アチェート・バルサミコ」を名乗れます。ちなみに、もともと「バルサミコ」とはその香りがある木の香りに似ていたから付けられ
たものだそうで、それは模型飛行機などで良く使われる南米原産の「バルサ材」からだとか。
[31] 煮込み料理の名脇役というか裏方さんの「ブーケガルニ」。ブーケは「束」、ガルニは「香草」の意味で、鍋に入れるときも取り
出す時も扱いやすくまとめてあるのでこの名があります。料理によって束の材料は変わりますがオーソドックスなのは、ローリ
エ・タイム・パセリの茎・セロリ・つぶ胡椒などをポロ葱を使って巻き込みタコ糸などで縛ってつくります。この他、ローズマリー、
セージなどを使うこともあります。自分のよい香りを食材に移し、逆に食材の持つ生臭さなどの不快な匂いなどを吸着するとい
う優れものです。表舞台には立たないのですが、料理の完成度に関わる重要な役割を担っていますよね。
[32] 白ワインには大きく「甘口・辛口」という分類がありますが、辛口ワインの話をしたので([27↑])次は「甘口」でいきます。甘口
ワインの極めつけといえば、「貴腐ワイン」があります。これは、収穫を遅らせぶどうをより「完熟」させていく過程において
<ポトリティス・シネレア>というカビの一種を果皮に意図的に寄生させ、ぶどう内の水分を奪わせ、糖分を凝縮させることに
より得る「貴腐ぶどう」を使用して造られる甘口ワインです。世界3大貴腐ワインというと、ボルドーのソーテルヌ地区における
<セミヨン種・ソーヴィニヨンブラン種>によるもの、ハンガリーのトカイ地方の<フルミント種・ハールシュレヴェリュー種・他>
によるもの、ドイツの<リースリング種・ミュラートゥルガウ種・ジルヴァーナ種・他>によるものが有名です。
[33] 「ワインの王」ブルゴーニュ地方。パリの東南の内陸部に位置し、ソーヌ川に沿って南北約300㎞にわたり全世界に名だたる
ワインの産地が続いています。北から「シャブリ」「コート・ド・ニュイ」「コート・ド・ヴォーヌ」「コート・シャロネーズ」「マコネ」の
5つの地区があります。これに「ボジョレー」をいれて6地区とする場合もあるようです。AOCワインは地方名、地区名、村名、
畑名に細分化されており、最小単位の畑名表示のワインが最も格上となります。畑は特級畑(グラン・クリュ)と、第1級畑
(プルミエ・クリュ)に格付けされ、シャブリ[22↓]ではさらに細かく分類されています。
[34] フランスでは、ごく普通の家庭がワインの地下貯蔵庫(カーヴ)を持っていたり、賃貸の共同住宅の地下にもカーヴが備え
てあったりとさすがはワイン大国と感心してしまう話があります。ワインにとって居心地の良い環境は、温度が11℃~14℃、
湿度が70~75%と言われ、当然のことながらこれが1年中でなければなりません。我々がこのような大掛かりな設備を作るの
は少々難しいので、北向きの押入れやキッチンの地下収納をうまく利用するしかないようです。そんな羨ましいフランスのこれ
またいい話。子供が生まれるとそのヴィンテージのワインを何ケースか買い込み、毎年誕生日に子供の成長とワインの熟成
を皆で祝いあうというもの。長期の貯蔵が可能な設備が身近にあってこそのワインの究極の楽しみ方だと思います。本当に
生活の中にごくごく普通にワインがあるんですね。
[35] ワインの初物というと「ヌーヴォー・ワイン」。収穫をしたその年の秋に出荷される新酒のことです。このワインを世界的に広め
たのは、フランス ブルゴーニュ地方のボージョレー地区の新酒でしょう。この地区でメインに栽培されている「ガメィ」種から造
られる「ボージョレー・ヌーヴォー」は鮮やかなルビー色、フルーティーな香り、フレッシュな飲み口のさわやかなワインです。
毎年11月の第三木曜日が解禁日となっており、日本では時差の関係から本国フランスよりも8時間も早く解禁となります。
さはん治でも毎年ボージョレーの帝王<ジョルジュ デュブッフ>のヌーヴォーをメインにそろえて、一足早い「収穫祭」を行って
います。これは開店来続く恒例の行事となっていますが、さて今年の出来はどうでしょうか。
[36] アメリカはワイン造りの歴史は浅いのですが、1950年代からぶどう栽培・醸造の研究がさかんに行われ、現在では世界第6
位の生産量を誇っています。それもカリフォルニア州1州だけでその位置にいるのだからすごいですね。(全アメリカ産の90%
がカリフォルニア州産でしめられています。)生産地は南北に細長くのびる太平洋岸に大きく3つの地域があります。それは、
ノース・コースト、セントラル・ヴァレー、セントラル・コーストで、アメリカを代表する銘醸地「ナパ」「ソノマ」はノース・コーストに
位置します。「ジンファンデル種」単一品種で造られるワインが特に個性があらわれ、評価が高いようです。
[37] <シャトー・ディケム(CH. d'Yquem)>というボルドー ソーテルヌ地区の甘口ワインは「貴腐ワイン[32↑]の最高峰」というあ
りがたい別名をもっています。ぶどうはセミヨン80%、ソーヴィニヨン・ブラン20%を用い、樫の新樽で3年間以上熟成させます
が、良いヴィンテージのものは10年20年を経てようやく開きだし(飲み頃になり)、長命のものは60年を耐えるものもあるとか。
そうした熟成を成し遂げたワインは、麦わら色・黄金色を超え、濃いオレンジ色にかわり、素晴らしいブケを持ち、トロリとした口
当たりの「最上のデザート」と賞賛される別物となるようです。当然お値段も60年ものともなると30万円を超えるそうです。
[38] ワインを造る際に出来る「絞り残し・絞りかす」も無駄にはなりません。フランスではブルゴーニュ・シャンパーニュ・アルザス
で、これを再発酵・蒸留・あるものは樽熟成させたこの酒を「オー・ド・ヴィー・ド・マール(ぶどうかすで造ったブランデー)」略
して「マール酒」と呼んでいます。もうひとつ同様の製法で有名なのはイタリアの「グラッパ」です。もともとはヴェネト州の
<バッサーノ・デル・グラッパ村>で造られた事からこの名前がつきましたが今ではイタリア中北部のピエモンテ・トスカーナ
・ロンバルディア・フリウーリ・マルケなどの地域で広く造られています。双方とも主に食後酒として楽しまれています。
[39] 蒸留酒の技術は世界各国、各地に渡りそれぞれの土地・環境に根付いた酒になりました。その土地にあった農作物を使い、
オリジナリティー溢れるアイデアなどを加えながら、その土地でしか生まれ得ない特徴を強く持った個性ある酒になりました。
その昔、蒸留酒のことを尊厳を込めて「生命の水(Aqua-vitae)」と呼んでいたのは有名な話ですが、これをそのままに近く
酒の名として残しているのが北欧で造られる「アクアヴィット」です。ノルウェーでは「Aquavit」・デンマークでは「Akvavit」・
スウェーデンではその両方を表記しています。ジャガイモを主原料に、キャラウエイ・アニス・フェンネル・カルダモン・クミンなど
のハーブ、スパイスの成分や香りを移しこんだ酒です。別名「ハーブ・スピリッツ」と呼ばれます。
[40] さはん治でも単品でのオーダーがあり根強いファンのいる「パルミジャーノ・レッジャーノ(ParmigianoReggiano)」。イタリア
エミーリア・ロマーニャ州のパルマ・モデナ・レッジョエミーリアなどを中心に作られるハードタイプのイタリアを代表する熟成
チーズです。しかしこの名前を名乗るには、最低でも2年の熟成を義務付けていたり、使用するミルクの種類、搾乳方法など
にも細かい取り決めがあったりします。長いものは4年ものもあり、旨味成分アミノ酸の白い結晶がチーズ中に星のようにちり
ばめられ歯にも「シャリシャリ」と心地よく、フルーティな香りと深いコクはまさに芸術品「イタリア・チーズの王様」です。この
チーズは高価な分「担保価値」もあり、銀行の地下には預かっている間の保管場所として専用の熟成庫まであるそうです。
[41] 古くから酒を造っていた国の中には当然<中華人民共和国>もあります。酒の種類は、原材料や醸造方法により通常6つに
分類されています。1.パイチュウ(白酒)2.パイランテイ(白蘭地)3.チャンチンプーチュウ(強精補酒)4.ヤオウェイチュウ
(葯味酒)5.ホァンチュウ(黄酒)6.クアチュウ(果酒)です。老酒・陳酒などと呼ばれ日本でも親しまれている紹興酒は黄酒
の分類になります。強精補酒はその名の通り「滋養強壮」を目的とした混成酒。トカゲや蛇(ハブ・マムシ・コブラ)などの動物
性エキスの他、(吉林)人参、きのこや薬効成分のある植物などの成分を抽出し、酒に添加して造られます。元気出そうです。
[42] 世界5大ウイスキーの中で、最もライトでスムース、そしてピュアな香味と評される<カナディアン・ウイスキー>。「クラウン
ローヤル」はそれを代表する銘柄。もう一つあげるとするとそれは文句無く「カナディアン・クラブ」でしょう。別名CC(シーシー)
は1858年にボストンで穀物商に携わっていた<ハイラム ウォーカー氏>がカナダ最南端のオンタリオ州ウォーカーヴィル
において造りはじめたウイスキーです。とうもろこし主体の<ベース・ウイスキー>と、ライ麦主体の<フレーバリング・ウイス
キー>のブレンドによってあの「軽やかで華やかな、そして気品のある」味わいを生み出しています。
[43] 「パルミジャーノ・レッジャーノ([40↑])」と「パルメザン」チーズとの違いを良く聞かれます。今現在さはん治でお答えしているの
は「パルメザン」は英語圏からの輸入ルートの名前で、元々はこのチーズのパウダー状に加工されていたものを正しく呼んで
いたのですが、いつの間にか高価なこのチーズ以外のチーズが「粉チーズ」に使われだしたにも関わらず名前だけは残ってし
まった、という事のようです。パルミジャーノ・レッジャーノの「粉状チーズ」はもちろん今もありますが、「パルメザン」チーズの
中身が100%「パルミジャーノ・レッジャーノ」では無いものもあるようです。チーズメーカーでも原料が異なる場合には表記を
「粉チーズ」などと最近は変えたりもし始めているようです。というのも、本家本元のイタリアのチーズ組合が不正な表記に対し
て訴訟を起こすなどという話もあったりするそうなんですね。まあ当然といえば当然でしょうが。
[44] カリブ海に浮かぶ西インド諸島のバルバドス島にサトウキビが持ち込まれ栽培されるようになり、その後蒸留技術を身に付け
たイギリス人により、サトウキビの搾り汁を原料とする<ラム(RUM)>が造られました。この名称については諸説あり、サトウキ
ビのラテン語である「サッカラム」の語尾からきているとする説と、蒸留後のこの強い酒を飲んだ原住民達が酔って「興奮」した
という事から今では死語となっている<Rumbullion(興奮の意)>の語頭を取って付けられたとする二つの説が有力のようで
す。ちなみに、このサトウキビの搾り汁を原料とする酒は他の国でも造られており、ブラジルでは「ピンガ」、東南アジアでは
「アラック」と呼び名を変えます。
[45] シャンパンは最後の「オリ引き・口抜き(デゴルジュマン)」の作業でオリを取り除きますが、この際の目減りした分をリキュー
ルで補います。この作業を「ドサージュ」と呼びますが、添加するリキュールの甘味度により6つのランクに分けられラベルに
表示されます。「エクストラ・ブリュット(無補糖)」「ブリュット(極辛口)」「エクストラ・セック(辛口)」「セック(中辛口)」「ドゥミ
・セック(甘口)」「ドゥー(極甘口)」の6タイプです。
[46] ワインの生産量・輸出量が世界第1位はイタリア。南北に長いその国土20州全てでワインが生産されています。その中で特
に名実ともに優れた生産地は3州。北部のピエモンテ州とヴェネト州、中部のトスカーナ州です。ピエモンテでは黒ぶどうの
<ネッビオーロ種>から造られるイタリアワインの王様<バローロ><バルバレスコ>の赤が特に知られ、微発泡性の甘口
白ワインの<アスティ>切れ味の良い白<ガーヴィ>もあります。ヴェネトでは<ガルガネーガ種>を主体としたイタリア白
ワインを代表する銘柄<ソアーヴェ>赤では<ヴァルポリッチェラ><バルドリーノ>が良く知られています。トスカーナでは
軽めの赤ワインで知られる<キアンティ>と、タンニンが多く香りも強い赤<ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ><ヴィーノ・ノビ
レ・ディ・モンテプルチアーノ>があります。
[47] りんごを原料にワインとほとんど同じ製法で造られる醸造酒を「シードル」といいます。フランスではノルマンディー地方と、
ブルターニュ地方が2大産地です。この酒を蒸留し樽熟成させたブランデーを「カルヴァドス」と呼びますが、特にノルマンデ
ィー地方の優良産地の中心部<ペイ・ドージュ地区>産のものは別格扱いされており、AOC法の規制を受けています。
やさしいまろやかさと、りんご由来のフルーティーな香りが魅力の熟成酒です。
[48] 「サングリア」というとワインの1名称と思われがちですが、実はカクテルの呼び名です。ワインにオレンジやレモン、ライム、
りんごといった果汁を絞り込み、シロップで甘みを足し、ブランデーなどを加えて作るスペインの国民的飲み物です。市販品で
出来上がったものもあるのですが、もともとは家庭で作るもののようでその作り方は様々なようです。「サングリア」の意味が
「血のような色をした飲み物」なので本来は赤ワインをベースにしますが、白ワインを使う事もあるようです。市販品での有名
メーカーではスペインの老舗ボデーガス・バルデパブロ社があり、「ヤーゴ(Yago)」は世界各国で愛飲されている銘柄です。
[49] フランス南西部を流れるジロンド川、ガロンヌ川、ドルドーニュ川の両岸の恵まれた気候風土に広がるぶどう畑から生まれる
世界最高峰のワイン生産地「ボルドー」。ワインの女王と呼ばれるこの地域のワインの大きな特徴は、数種の品種をブレンド
する「混醸」にあります。栽培される主な品種はカべルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン、マルベックなどが赤、白で
はソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、ミュスカデルなどがあります。文字通りこれらのぶどうのそれぞれの持ち味を生かす為、
それぞれのシャトーで独自のブレンド技術を競う事になります。ボルドーは中世イギリス領であったため、17世紀のルイ15世
の時代までフランスワインは本国でよりも英国で愛飲されていたそうです。赤ワインのイギリス風愛称「クラレット」はこの頃の
呼び名だそうです。
[50] 「満足すべき飲み物」というネーミングのリキュールがあります。熟成15年以上のハイランド・モルトをメインに、約40種の
スコッチ、各種ハーブ、ヘザー・ハニー(ヒースの花の蜂蜜)などの糖分を加えたものでその名は「ドランブイ(Drambuie)」。
イギリス・エジンバラ産で、ウイスキーのリキュールとしては世界的に有名で、もとはスコットランドのスチュアート王家に伝わ
る秘酒だったそうです。「ラスティ・ネール」というスタンダードカクテルのベースにも使われています。飲んだ後正直な感想を
述べづらい不思議な響きの名前はゲール語です。もちろん大満足であれば問題無いのですが。
[51] 一口に「スコッチ・ウイスキー」と言っても製造方法などから名称は変わります。ウイスキー蒸留所から熟成を終えたモルト・
ウイスキー原酒を樽ごと購入し、「グレーン・ウイスキー」と混ぜ合わせ瓶詰めしたものが「ブレンデッド・ウイスキー」。これに
対して一蒸留所のモルト・ウイスキーをそのまま瓶詰めしたものを「シングル・モルト・ウイスキー」と呼びます。複数のモルト・
ウイスキーの原酒同士を混ぜ合わせることも行われますがこの場合は「ヴァッティング」と呼びそのウイスキーは「ヴァッテド
(モルト)ウイスキー」と呼ばれます。この他、モルト原酒を樽ごと購入した後、更に熟成を重ねさせたりすることでウイスキー
に更なる付加価値を加える<ゴードン&マクファイル社>や<イアン・マキロップ社>などの「ボトラー」による「ボトラーズ・
ブランド」というカテゴリーもレアなアイテムです。
[52] <リキュール>とは、蒸留酒に「薬草」「果実」などのエキスや香りを移しこんで別種の味わいに仕上げた酒の総称です。
その種類は非常に多く、わが国で販売されているものだけでも500銘柄は超えているそうです。製造方法としては「蒸留法」
「浸漬法」「エッセンス法」などがあります。原材料から大きく4つに分類されることが一般的で、1.果実系(果皮系・果肉系・
トロピカルフルーツ系など) 2.薬草・香草系(緑茶、紅茶なども含む) 3.種子系(ナッツ系・核系など) 4.特殊系(・乳、卵
クリーム系など)です。もともとは医薬的な意味合いの「薬酒」として発達したものですが[↓56]その後新大陸やアジアからの
砂糖や香辛料が使われるようになると、ヨーロッパの上流階級の貴婦人達のニーズに合わせ一挙に多種多様化していきまし
た。その色合いでは衣装や宝石とコーディネートまでして楽しんだそうです。「液体の宝石」と呼ばれるゆえんですね。
[53] ワインは製造方法から4種類に分類されています。1.スティル・ワイン(非発泡性ワイン)一般的にワインと呼ばれているもの
はこの分類になります。2.スパークリング・ワイン(発泡性ワイン)一般的にはシャンパンに代表される、発酵中の炭酸ガスを
密閉する事により瓶内に閉じ込めワイン内に溶け込ませたもの。3.フォーティファイド・ワイン(酒精強化ワイン)発酵中、或い
は発酵後にブランデーを添加したワイン。シェリーやポートなどが代表的。4.アロマタイズド・ワイン(香味づけワイン)フレー
バード・ワインとも呼ばれる。ヴェルモットなど。[10↑] この他ぶどう以外の果実で造られるものをフルーツ・ワインと呼びます。
[54] 「エスト!エスト!!エスト!!! EST!EST!!EST!!!」という、ちょっと変わった名前のワインがあります。明るい麦わら色で、味わいは
フルーティで爽やかな辛口。イタリア・ラツィオ州のモンテフィアスコーネ村周辺でトレッビアーノ種をメインに造られるワインで
す。12世紀の初め頃布教の旅をしていたドイツの僧侶の一団が、その日の宿泊先に美味しいワインのある宿を従者に命じて
探させたそうです。その重大な(?)使命を与えられた従者は、後から到着した僧侶達に判るような貼り紙をその宿の扉に貼っ
たのですが、そこのワインがあまりにも美味しかったのでラテン語の「ある」という意味の「エスト」を3回も続けた貼り紙をしたと
いう逸話がワイン名になったとの事。「ある!ある!!ある!!!」とは、本当によほど美味しかったんですね。
[55] ライン川をはさんでドイツと国境を接する「アルザス地方」はフランス北東部に位置し、ライン川に沿ったヴォージュ山脈の
南北100キロほどにわたり栽培地が続きます。ドイツワインに似た優良な白ワインの産地で、総生産量の95%までが「白」
を占めます。ラベルにぶどう品種を明記するのが特徴で、代表的な品種は「リースリング」「ゲヴェルツトラミネール」「ミュスカ」
「ピノ・グリ」「ピノ・ブラン」「シルヴァネール」の6種類と、赤・ロゼ用では「ピノ・ノワール」があります。全体的には高品質の
「辛口」がこの地方のワインの際立った特徴になっています。独特の芳香(ライチにも似た?)を持つ「ゲヴェルツトラミネール」
のゲヴェルツとはドイツ語で「香辛料」の意味があります。
[56] <リキュール>メーカーの老舗にフランスの「マリー・ブリザール社」があります。この会社を作ったのはまさに社名となって
いる一人の女性でした。ボルドー生まれの彼女は、貧しい人や病気の人の世話をするボランティアに身を捧げていました。
(看護士であったという話も有るのですが。)ある時、その当時フランス領であった「西インド諸島」からの瀕死の船乗りの看病
をして命を助けたところその感謝のしるしとして彼の故郷に伝わる薬酒のレシピを教わります。その<リキュール>をフランス
で再現し販売したところ大ヒット商品となり、その後彼女の甥とともに会社を興すに至ったということです。今では個性溢れる
品揃えは30種類以上にもなり、主にカクテルの材料として全世界のバーテンダーの必需品として愛用されています。因みに
最初に教わった薬酒とは「アニゼット」というリキュールで今でもその当時のレシピのまま製造されているそうです。
[57] 早飲みタイプのワインというと、フランス ブルゴーニュの<ガメィ種>を使った「ボージョレー」がまず浮かびますが、イタリア
にも早飲みタイプのワインはあります。ピエモンテ州クーネオ県の「アルバ」村を中心に造られる「ドルチェット・ダルバ」がそれ
です。<ドルチェット種>のぶどうを使い、さわやかな酸味、軽快なコク、快い渋みとともに、豊かな果実香が楽しめます。
[58] さはん治でも料理のアクセントやカクテルの飾りなどに使う事がある「ミント」というハーブ。一口にミントといっても種類が幾つか
あります。良く知られているものでは、1.<Pepper Mint ペパーミント>メントールなどとも呼ばれる強いさわやかな香り。
2.<Spear Mint スペアミント>カルボンとも呼ばれ、甘いさわやかな香り。3.<Apple Mint アップルミント>その名の
通り甘いりんごのような香り。・・・などがあります。この他にもパイナップルミントやペニーロイヤルミントなどという種類があり
ます。どれも気分がすぐれない時などには、そのさわやかな香りが元気をくれるハーブです。
[59] 第2次大戦後アイゼンハワー大統領のお気に入りとして人気を得た銘酒<ワイルドターキー>。1855年創業の食料品商
オースティン・ニコルズ家が興したブランドで、七面鳥狩りに集まる人々に特別ブレンドのバーボンを提供したニューヨークの
マッカーシー家にこの酒を納入したのが始まりとされています。1971年にケンタッキー州ローレンスバークのリピー蒸留所
を買収するまでは、長くブレンダーであったのですがそれ以降は蒸留から熟成までを自社で一貫して行っています。伝統製法
に守られたそのバーボンは、やわらかな香りと強く豊かなコクが特徴です。ラインナップは8年12年と、熟成のピークの選び
抜かれた樽だし原酒を少量限定生産した「レアブリード」の3種がメイン。この他「ライウイスキー」も造られていますが、こちら
もウイスキー通をうならせる銘酒です。
[60] オリンピック発祥の地であり今年は開催地の<ギリシャ>は「ヨーロッパワインの故郷」と呼ばれています。国土全域でワイン
造りは盛んですが、中でもペロポネソス半島とクレタ島の2地域が生産量では群を抜いているようです。特徴ある銘柄では
「レツィナ(Retsina)」があります。この辛口白ワインは保存性を高めるために<サァヴァティアノ種>のぶどうから造られた
ワインに「松やに」を添加したという伝統的な製法を現代に伝えているギリシャワインを代表するものです。
[61] パセリ(Parsley)というと、ハーブとしては日本でもかなり古くから利用されてきた一つではないでしょうか。脇に添えてあると
鮮やかな緑が料理の彩を豊かにしてくれます。もちろん食べて良いものなのにお皿の上にいつも残されてしまうことから以前、
話や人の輪から取り残されてしまう人を「パセリ君」などという使われ方をされたりもしていました。実際には古代ギリシャでは
非常に高貴なものとして大事に扱われており、勝者に贈られたのも「月桂冠」ではなく「パセリ冠」であったという説もあるよう
です。葉にはビタミンCや鉄分も多く含まれており、栄養的にも確かにそのまま捨ててしまうにはもったいない脇役です。
[62] ボルドーの5大シャトーの一つ<シャトー・ムートン・ロートシルト(Ch.Mouton-Rothschild)>のラベルは世界的に著名な
画家が作品を提供していることでも有名です。先代の当主<フィリップ・ロートシルト男爵>はぶどう園内にワインに関する
世界最大規模の博物館を所有するほどのコレクターでもあり、もともと芸術にも感心の高かったことからラベルにも芸術性を
と「ラベル・アート」は始められたようです。過去の作品では<ジャン・コクトー><サルバドール・ダリ><ヘンリー・ムーア>
<セザール><マルク・シャガール><パブロ・ピカソ>などの著名な画家が名を連ね、近代画家では<アンディ・ウォー
ホール><キース・ヘリング>、日本人画家も<堂本尚郎><セツコ>が作品を提供しています。(敬称略)
[63] キングオブカクテル「マティニ(MARTINI)」。ドライジンとドライヴェルモットのミックスにより造られるワールドスタンダード
カクテルです。誕生のエピソードは数限りなく存在するようですが、19世紀終わり頃の話が多いようなので時期的にはその頃
といえるのでしょうか。このカクテルは「いかに粋にかっこよく飲むか」を競うことでも有名です。それはヴェルモットの量を少な
くすること、つまりはどれだけ辛口(ドライ)にするかが真髄と言われています。一般的なレシピは「ジン4/5 ヴェルモット1/5」と
されていますが、15対1なる超ドライレシピがあったり、果てはヴェルモットの香りを嗅ぐだけとかラベルを眺めるだけなんて
いうレシピ(?)も大真面目に存在するようです。言うならばユーモアのセンスも競っているわけですね。
[64] ブルゴーニュで最も偉大なワインを生み出す村、コート・ド・ニュイ地区「ヴォーヌ・ロマネ」。6つの特級畑は「ラ・ターシュ」
「ラ・ロマネ」「リシュブール」「ロマネ・サンヴィヴィアン」「ラ・グランド・リュ」そして最高峰がかの「ロマネ・コンティ」です。世界で
最も高値で取引されるワインです。畑の広さは1.8haで年間の生産量はおよそ7000本。「ワインの王様の中の王様」と呼ば
れています。深いルビー色、スミレとチェリーのアロマ、ビロードの喉越しと言われています。ルイ15世の頃の宰相コンティ公
がルイ15世の愛妾ポンパドール夫人との争奪戦の後、この畑を所有するに至ってこの畑名になったそうです。もしも彼女が
勝利していたのならこの畑は「ロマネ・ポンパドール」と呼ばれていたかもしれません。
[65] ウイスキーなどの1つの飲み方のスタイル「オンザロック(ス)」。英語のつづりは「On the rocks」で直訳すれば「岩の上」と
なります。「ストレート」と「水割り」の中間的な飲み方で<酒自体を愉しみたい(うすめたくない)が、同時に冷たさも欲しい>
場合の選択肢です。アメリカではこれに対し「Over rocks」「Over ice」とも呼び、さらにこれを略して「オーバー」と言われる
ことも多いようです。
[66] 「カルーア・コーヒー・リキュール」といえば世界的に知られるリキュールの上位に文句無く入るでしょう。メキシコのカルーア
社により製造されています。メキシコ産のアラビカ種のコーヒー豆を使い、さとうきび原料のラムと同タイプのスピリッツに香り
を移しこみます。さわやかなほろ苦さと、香り高いコーヒーの風味が絶妙です。バニラなどの芳香成分をバランスよく添加して
おり、ミルクとのカクテル「カルーアミルク」は定番カクテルとなっています。コーヒー・リキュール自体はこの他にも種類は多く
フランスの数社が造る「クレームド・カフェ」、イタリア産では「モカンボ・コーヒー・リキュール」「カリプソ・コーヒー・リキュール」
など。アイリッシュ・ウイスキーをベースにした「アイリッシュ・ベルベット」はアイルランド産。南米産のコーヒー豆とブランデー
で造る「ボリヴァー・コーヒー・リキュール」はカナダ産。・・・などがあります。
[67] ブルゴーニュの南「ボジョレー地区」はガメィ種から造る、「輝くようなルビー色、フルーティな香り、フレッシュな飲み口」の爽
やかなワインで知られます。アペラシオンは「10の村名ボジョレー」「ボジョレー・ヴィラージュ」「ボジョレー・スペリュール」
「ボジョレー」の4つです。10の村は「サンタムール」「ジュリエナ」「シェナ」「ムーラン・ア・ヴァン」「フルーリー」「シルーブル」
「モルゴン」「レーニエ」「ブルイイ」「コート・ド・ブルイイ」です。早飲みワインが有名な地区ではありますが、村名ボジョレーの
中には「ムーラン・ア・ヴァン」や「モルゴン」などのように長期の熟成に耐えるものもありそれぞれの個性を競い合っています。
[68] ウイスキー誕生の地と考えられているアイルランド島。このアイルランド共和国と北アイルランド自治州で造られているウイス
キーを総称して「アイリッシュ・ウイスキー」と呼びます。蒸留所は島北部アントリム州の<ブッシュミルズ蒸留所>、島北東部
クーリー半島ダンダークの<クーリー蒸留所>、そして島南部のコークにある<ミドルトン蒸留所>の3箇所が稼動していま
す。アイリッシュ・ウイスキー自体の特徴は昨今味わいを含め少しずつ変貌を遂げつつあるようですが伝統的な製法は、大麦
・オーツ麦・ライ麦・小麦などを原料にピート香をつけずに単式蒸留器で3回蒸留を行います。そして熟成にはホワイトオーク
の新樽の他、シェリーやラムの古樽を用います。この「アイリッシュ・ストレート・ウイスキー」にとうもろこし主体のグレーン・ウ
イスキーをブレンドして仕上げます。全体的に「まろやかで軽く、なめらかでスムース」と表現されることが多いようです。
[69] フランスでチーズの分類のタイプでも使われる「シェーブル」という呼び名は「山羊乳」から作られたチーズの総称です。これ
に対して「羊乳」で作られたチーズを「ブルビ」と呼びます。通常青カビの分類に入る<ロックフォール(Roquefort)>も羊乳を
使う為バスク地方の<オッソ・イラティ(Ossau Iraty)>とともに2大AOCブルビチーズの一つとも言われます。この他ハーブ
の香りを移しこむコルシカ島の<フルール・デュ・マキ>や<ブラン・ダムール>、又「コルシカ島のトム」とそのまんまの名前
が付いた<トム・コルス>などの個性的なフランス産ブルビ・チーズがあります。
[70] ワインを使ったカクテルはさはん治にもいくつかありますが、白ワインを使ったスタンダード・カクテルというと<スプリッツァー
(Spritzer)>があります。オーストリアのザルツブルグで生まれたカクテルで、由来はドイツ語の「シュプリッツェン(弾ける)」
から来ているように[白ワイン3/5]と[炭酸水2/5]というレシピもイメージもごくシンプルなカクテルです。イギリスではこの
レシピを<ホック&セルツァー>とも呼ぶそうです。ホックとはドイツラインガウ地方ホーホハイム村(Hochheim)で造られた
リースリング種のワインのこと。又セルツァーとは炭酸水の銘柄名です。シンプルであるため使用する白ワインは少なくても
<リースリング>は使いたいものです。さはん治でももちろんそうさせていただいております。
[71] スイスのチーズというとまず<エメンタール(Emmental)>と<グリュイエール(Gruyere)>が思い起こせます。そして3番目
に知られているのではないかと思うのが<ラクレット(Raclette)>ではないでしょうか。有名な2つのチーズは又の機会にして
このラクレットのお話。スイス全土で作られているチーズですが中でもヴァレ州が主要生産地の、牛乳を原料とする<セミハー
ドタイプ>です。チーズの名前の<ラクレット>の元の意味は削り取る、こそぎ取るなどの言葉「ラクレ」からきています。それ
は暖炉などでチーズを溶かし、溶けた部分をそぎとりながらジャガイモなどに添えて食べるスイスの伝統的な一料理の名前で
した。それが以後そのままチーズ名になったのだそうです。その昔は暖炉にチーズをかざしながら溶かしていたそうですが今
はこのチーズ料理専用のオーブン(ヒーター?)が存在するそうです。同じような製法のチーズや料理は国境を越えたフランス
の山岳地帯にもみられるそうです。
[72] さはん治で「七厘自前焼」や、素材の炙り焼などに使う「備長炭」とはそもそもどういった炭のことを言うのでしょう。名前の由来
などもやはりいくつかの説があるようですが…。炭はまず「黒炭」「白炭」の二つに分類されます。備長炭は「白炭」で、これは
焼き上がった炭を冷やすのに窯の外に引き出し、灰をかけて急激に消化冷却した時の見た目が白い事からこう呼ばれている
ようで、逆に窯の中で徐々に冷やしていくもう一つの方法では出来上がった炭が真っ黒に見える事から「黒炭」と呼ばれます。
使用する木材は「樫」「ウバメカシ」が一般的で、割れた断面はきれいな貝殻状の模様があります。非常に硬く硬度は「鋼」級
のものもあります。たたいた時の音は完全な金属音がします。 (備長炭 その一)
[73] 1984年ケンタッキーの州都フランクフォートの市制200年を記念して誕生したシングルバレルバーボン「ブラントン」。同じ原酒
の樽でも決して混ぜ合わせる事をせず、1樽からの瓶詰めにこだわる銘酒です。厳しいチェックを受けた1樽からは約250本の
特徴ある八面体のボトルが生み出されます。酒名はバーボン造りの名人「アルバート・ブラントン大佐」から取り、彼の愛弟子
「エルマー・T・リー」により開発されました。仕込み水・発酵・蒸留のタイミング・樽の移動(樽の温度を一定に保つ為に貯蔵庫
内を繰り返し移動させる)・特殊フィルターでの濾過などの数々のこだわりの後、ラベルを1枚1枚手書きすることにより世に送
り出されます。今さはん治にあるブラントンのラベルには「ボトル1本1本が、ブラントン・ディスティリング・カンパニーに登録され
ています。このボトルの登録ナンバーは39です。 ディスティルド&ボトルド・バイ・ブラントン・ディスティリング・カンパニー
フランクフォート ケンタッキー このバーボンウイスキーは1998年10月30日に樽番号22番、H倉庫の23段目で貯蔵されて
いたものから選ばれたものです。80プルーフで厳選され濾過・ボトリングしました。ケンタッキーストレートバーボンウイスキー
アルコール分40%(80プルーフ)」と記入されています。
[74] ボルドー格付け第一級、五大シャトーの一つメドック地区マルゴー村の<シャトー・マルゴー(Ch.Margaux)>。そのルーツ
は13世紀にまでも遡ることができるそうです。80ha弱の畑からは平均で25000ケース前後を産出しています。1855年のシャ
トー格付け以降様々な所有者に転売されましたが、1960年代の後半には品質の低下が著しく、二級に格付けが落とされるの
ではないかと噂されるほど低迷した時期がありました。この窮地を救ったのが1977年にこのシャトーを買収した<メンツェロ
プーロス家>です。多大な投資と、熱意・努力により翌78年から現在に至るまで送り出すワインは一級ものの中でも最上の
品質と評されています。濃いルビー色・卓越した芳香・ベルベットの舌触り・柔らかく甘美な味わい・優しい喉越し…そのイメー
ジは五大シャトーの中でも一番エレガントで女性的といわれます。
[75] <トム・ド・サヴォア(Tomme de Savoie)>というフランス・サヴォア地方のチーズ。アルプスの高地、スイスと国境を隔て
る山岳地帯のチーズです。「トム」とは小さな塊(ポーション)という意味で直訳すると「サヴォアのトム」となります。この地方で
は春から秋にかけて大量に採れるミルクを元に、直径35cm、厚みが15cmほどの大型円形の<ボーフォールAOC>という
ハードタイプのチーズが多く生産されますが、シーズンを過ぎるとミルクの量が限られる為に小規模にチーズを造ります。
これがボーフォールよりも一回り小さなトム・ド・サヴォアと呼ばれるチーズとなります。原料となるミルクは牛乳が多いのです
が、山羊乳、あるいはこれら混合の原料によるものも造られます。もちもちとした食感、ナッツのようなコクとミルクの甘み、口
あたりはとてもまろやかなチーズです
[76] シングル・モルトのロールスロイスと評されるスペイサイドの銘酒「ザ・マッカラン」。蒸留所はスペイ川中流のクレイゲラキ村
の対岸にあり、創業は1824年ですが1892年に酒商「ケンプ家」の所有となりました。原料の二条大麦の品種をゴールデンプ
ロミス種に限定し、スペイサイドで最小の蒸留器を復元してまで使用し、熟成樽には最低2年間オロロソ・シェリーの貯蔵・熟成
に使用した樽のみを輸入して使用する事によりこのこだわりの銘酒は誕生します。その特徴は麦芽由来の香味と、シェリー樽
熟成による深い色合い、ブケ、甘みとバランスの良い芳醇な味わい、そして重厚なコクが楽しめます。今では社名にもなる「マ
ッカラン」とはゲール語で「聖コロンバの丘」の意のマ・コラムが変化したもの。昔蒸留所の所在地が呼ばれていた地名なのだ
そうです。
[77] 「細いひも」という意味のイタリア語、<Spaghetti(スパゲティ)>。同じロングパスタでも太さによって呼び名が変わります。
スパゲティは一般的に1.6~2.2mmまでの太さのものを総称した呼び名です。これよりやや細い1.5mm前後のものは「小さな
スパゲティ」の意味の<Spaghettini(スパゲティーニ)>。オイル系の調理法や軽めのソースに良く合います。さらに細い
1.0mm前後のものを「糸」という意味の<Fedelini(フェデリーニ)>と呼びます。魚介類やあっさり系のソースとの相性が良い
ようです。これより細く0.9mm前後の極細パスタは<Capellini(カッペリーニ)>。意味は「髪の毛」で冷製パスタなどに良く使
われます。<カペッリ・ダンジェロ>と呼ばれるさらに極細のものもあります。
[78] 「ベッコフ(Baeckeoffe)」というフランス・アルザス地方の料理。元はベック・オフで、「パン屋さんの窯」という意味なのです
が料理の名前となっています。その由来は、家事に追われるアルザスのお母さん達が前日の残りの野菜や肉を陶器の鍋に
入れ、パンを焼き終わった窯で蒸し焼きにしてもらった事からきているそうです。その際鍋の合わせ目をパン生地で目張りを
することにより圧力鍋状態となることと、窯の余熱でじっくりと火が入ることで特に肉は柔らかくジューシーに仕上がる料理で
す。味付けはシンプルに「塩・こしょう」そしてアルザスの白ワイン、特に凝った料理ではないのですが単純に喉がなり、白ワイ
ンが飲みたくなりますね。専用鍋は窯に出し入れしやすい楕円形をしているのが特徴です。ちなみに月曜日が洗濯の日だっ
たそうで追われるほどの家事とはこの洗濯の事。ここからベッコフは月曜日の料理とも言われているそうです。
[79] 備長炭の歴史を紐解くとその誕生は平安朝の頃までさかのぼるようです。まず製炭技術が中国から持ち帰られ、その技術は
和歌山県の各地の山間部で広まってゆきました。およそ900年ほどの間盛んに生産され技術改良も行われた結果、紀州の炭
は江戸時代に入ると生産量・品質ともに日本一を誇るまでになります。この頃、紀州田辺に炭問屋の「備中屋長左ヱ門」とい
う商人がおり、江戸に出荷する際のブランド名として現在の田辺市秋津川周辺で作られていた「田辺炭」を、備中屋の「備」と
長左ヱ門の「長」をつけて「備長炭」としたのがその名の由来とされているようです。 (備長炭 その2)
[80] 世界最小のパスタなどと呼ばれるデュラム小麦が原料の<クスクス(Couscous)>。フランス料理などでも良く顔を出す為
ヨーロッパの食材と思われがちですが元々は北アフリカ諸国(モロッコ、チュニジア、アルジェリア)がルーツです。肉や野菜を
煮込んだものをかけて食べるのが一般的な食べ方ですが、フランスではサラダ仕立てや料理の付け合せなどにもされていま
す。かわいい響きのこの名前の由来は調理をしているときの「音」から来ているそうです。
[81] ブレンデッドスコッチウイスキーの3大ブランドの一つ<バランタイン(Ballantine’s)>。そのラベルを良く見るとそこにはウイ
スキー造りに欠かせない4っつの重要な事柄すなわち「二条大麦」「仕込み水・川」「蒸留を行うポット・スチル」「樽」これが盾
の紋章として描かれています。この紋章(コート・オブ・アームズ)は英国王室紋章院から授けられた由緒あるものだそうです。
[82] テリーヌというと魚や肉のすり身に卵を加え、型に入れて焼いた料理がまず思い浮かびます。この型の事をテリーヌと呼び、
出来上がった料理のことも「○○のテリーヌ」と呼ばれます。洋風かまぼこみたいなものですね。<コート・ロティ><エルミタ
ージュ><シャトーヌッフ・デュ・パプ><ジゴンダス>などの銘ワインを生み出す「ローヌ河」が地中海に注ぐプロヴァンス地
方には同じテリーヌと呼ばれる美味なる貝がこの地方特産としてあるそうです。ただしスペルが違いまして貝は<Telline>、
料理の方は<Terrine>だそうです。(お約束ではありますが一応)「テリーヌのテリーヌ」もあるんでしょうねぇ。
[83] オランダのチーズといえば「ゴーダ(Gouda)」と「エダム(Edam)」が良く知られています。どちらもハードタイプのナチュラル
チーズですがクセが無くとても食べやすいチーズです。良く見かけるエダムは「赤玉」と呼ばれたりもします。これは輸出用に
防カビなどの品質維持を目的とした赤いワックスをコーティングした見た目から。熟成の若い状態のものはまだしっとりと柔ら
かくそのままテーブルチーズとしてたのしめますが、さらに水分が抜け熟成のすすんだものは、コクも深まりすりおろすなどし
て料理にも使います。生産量、輸出量ともにゴーダの方が多いようです。
[84] シティ・カクテル(都市の名を冠したカクテル)の一つ<シンガポール スリング(Singapore Sling)>はその名の通りシン
ガポールで1915年に生まれました。「エキゾチックな東洋の神話」と英国の作家S・モームが評した典雅なホテル<ラッフルズ
ホテル>内にある<ロング・バー>のバーテンダーがこのレシピを作ったとされています。現在ではワールド・スタンダードにも
なっているこのカクテルですが製作当時のレシピには少しずつ手が加えられているそうで、本家のホテルのバーで今オーダー
した場合出されるものと日本国内で作られているレシピとは明らかに異なったものとなっていて、尚且つ現在でも日々「進化・
改良?」されているのだそうです。でもそれって良いのか悪いのか…。あまりにも有名になったカクテルの名前に振り回されて
いるような気もしますね。オールディーズな「シンガポール・スリング」というスタンダードカクテルは何時も昔と変わらずに厳然
と有り、若い現在のバーテンダーが新たに考案した素晴らしいカクテルは当然新しい誇りを持った「名前」と「レシピ」でお客様
を迎えて欲しいような気も個人的にはしますが。
[85] ナチュラル・チーズの中で見た目が黒いものがあったりします。かなり異様な感じがしますがなぜに「黒」?。これはフランス
のシェーブルチーズに良くみられますが「灰」なんですね。食べ物に灰をまぶすなんて結構乱暴ですが伝統的な製造方法で
す。その必要性の理由として挙げられているのが「酸味の強いチーズを灰のアルカリで中和する為」であったり「出来上がった
ばかりのチーズの余計な水分を適度に吸い取らせる為」などが良く聞かれる話です。何かその奇抜で独創的な手法に感心し
てしまうとともに、全て前もって計算された作業のように思われてしまいますが、恐らくは他の色々な事例と同様これらは後付
けの理由で実際には偶然の産物でしょう。「あわてもののおばちゃんが炭の中にチーズを落としてしまい、怒られないように
そっと何処かに隠しておいたものが後になってみつかり食べてみたところ以外に美味しかったので以後その作業を正規に取り
入れた。」こんなところじゃないでしょうか。ちなみに初め黒々とした外観は熟成に従い灰色に変わる為熟成の度合いを知る
目安にもなっています。
[86] 「カシス(Cassis)」というと果実の<黒すぐり>を使ったリキュールのことを先ず思い浮かべますが、ワインの名前にもなって
います。それはフランスのプロヴァンス地方、マルセイユの南東に位置する小さな港町のカシス地区というアペラシオンで造ら
れるワインです。そこでは赤・ロゼも造られますが、おだやかな酸味の活き活きとした辛口の白が良く知られています。周囲の
土地に生育する「タイム」や「エストラゴン」などのハーブの香りが移り香としてしたりするそうです。
[87] モルト・ウイスキーの「巨人」あるいは「巨匠」と呼ばれ、全モルトの中でも銘酒中の銘酒と最高の賛辞を与えられるシングル・
モルトウイスキー「ラガヴーリン(LAGAVULIN)」。ゲール語で「水車小屋のある窪地」の意味を持つ酒名どおり、蒸留所の周
辺は良質のピートと湧き水に恵まれる湿地帯です。グラスに注ぐと、力強いピートの燻香・ヨード香・海藻と潮の香りが複雑に
絡み合い立ちのぼります。どっしりとして初めややドライで野性味あふれる喉越しは、シェリー樽由来のエレガントで優しくまろ
やかな味わいに変わります。長く尾を引く深いコクと存在感はアイラ・モルトの中でもその特徴を顕著にあらわし、その強烈な
個性は「大好き」か「大嫌い」かの両極の評価を私達に迫るようです。蒸留所の創業は1816年ですが1740年代の密造酒時代
から創業者の<J・ジョンストン>は密造酒を造っていたそうで、そうした意味からも由緒ある(?)歴史と伝統の「銘酒」です。
[88] 備長炭発祥の地とされている「和歌山県田辺市秋津川」には<紀州備長炭記念公園>という公園があり、備長炭を含めた
「炭」の歴史や製作工程などを紹介する<備長炭発見館>という施設や、炭焼きを実際に体験できる窯もあるそうです。お近く
に行かれた際はお立ち寄りになってはいかがでしょう。 (備長炭 その3)
[89] アメリカを代表するリキュールに<サザン・カンフォート(Southern Comfort)>があります。熟成させたバーボンをベースに
ピーチなど数十種の果実等の香りを移しこんだもの。19世紀にニューオーリンズで生まれました。ストレートや炭酸割り、ジン
ジャエール割りなどがポピュラーな飲み方です。
[90] ボルドーの5大シャトーの一つ<シャトー ラトゥール(Ch.Latour)>ポイヤックの他の第1級ワインの中で最もコクがあり、
深い香りと品格に溢れた味わいの、極めて高品質のワインを生み出す醸造所です。ラベルに描かれた塔(ラトゥール)は百年
戦争の際破壊されずに唯一残った要塞の一部分なのだそうです。このシャトーは30~50年という極めて長期の熟成に耐えう
る長命ワインを生み出す事でも有名ですが、ぶどうが不作の年においても水準の高い品質を維持できる技術力においても高
い評価を受けています。そのイメージは「力強く、男性的」と表現されます。
[91] 「ウオッカ(Vodka)」というとロシアで造られ、ロシアの酒というイメージが強いのですが、ズブロッカ(↑15)の様にポーランド
やデンマーク、スウエーデン、ドイツなどの国々でも造られています。世界№1の売り上げを誇る「スミノフ(SMIRNOFF)」は
元々はロシアの生まれですが現在ではアメリカの製品です。地下数十メートルの天然氷河水と、白夜によって長い日照時間
の恩恵を受けた大麦100%を使用したスムースで繊細、クリアな味わいの「フィンランディア(FINLANDIA)」はその名の通り
フィンランドの産です。
[92] 原料をぶどうのみにたよる「ワイン」。ぶどうも農作物である以上その年その年で天候などの要因に於いて作柄が左右される
事が当然おこります。収穫された年の事を「ヴィンテージ(Vintage)」と呼び、どの地域のぶどうが「当たり年」であったかそれ
ほどでもなかったかを表わしたものを「ヴィンテージ・チャート」と呼びます。しかしぶどうの出来不出来だけでワインの品質は
決定されるものではないので、ワインを手に入れるときの一つの目安として参考にする程度が望ましいようです。あまり良質で
ないぶどうでも、醸造者によっては高品質のワインに仕上げる事もあるのでやはり1要因なのですね。
[93] フランス・ロワール地方のナント地区にある3つの区域の中、セーヴル川とメーヌ川周辺にミュスカデ種を使った辛口白ワイン
の産地が広がっています。「ミュスカデ」「コトー・ダンスニー」そして「ミュスカデ・ド・セーヴル・エ・メーネ」。品種名と川の名前
がそのまま地区名AOCとなっているこの3番目の区域が最も生産量・品質において格上とされています。ワイン造りの伝統的
な「シュール・リー(Sur Lie)」製法<瓶詰めまで澱を引かずにワインと共に寝かせておく製法。この方法で新鮮でフルーティ
な味わいと、独特のキリッとした酸味を生み出させている。>を用いて造られたものにはこの製法名も後に付け、少々長めの
「ミュスカデ・ド・セーヴル・エ・メーネ・シュール・リー」という魅惑的なワインが出来上がります。
[94] ワイングラスの形には数種類あります。その中でも良くお目にかかるタイプは「ボルドー・タイプ」と「ブルゴーニュ・タイプ」でし
ょう。ボルドー・タイプは胴の部分の膨らみに対して先がすぼまった形をしています。長期熟成のブーケをグラスの中から逃が
さず、こもらせる形状となっています。一方のブルゴーニュ・タイプは胴部分がより膨らんだずんぐりとした形。空気に触れさせ
る面積を出来る限り広くする事により、注がれたワインの香りと味を素早く引き出す事が出来るよう考えられた形状です。
[95] ラベルにロンドン塔と、その駐在衛兵の姿が描かれた「ビィフィーター(Beefeater)」。爽快な香り、なめらかでスムースな味わ
いが身上の1820年に誕生した<ロンドン・ドライ・ジン>です。1915年シティ・カクテル「シンガポール・スリング」[85](↑)の
ベーススピリットとして使用されたことで、両者ともに一躍世界的に有名になりました。ちなみに「ビィフィーター」とは、ロンドン
塔に駐在する衛兵の「通称」なのだそうです。
[96] イタリアの赤ワインというと、まず思い浮かぶのがトスカーナ州の<キアンティ(Chianti)>でしょう。主にサンジョヴェーゼ種
を用いた混醸タイプで、さわやかな味わいとフレッシュな香りが楽しいワイン。またキアンティ地区中心部の限られた地域で造
られ、アルコール度数12度以上、樽熟成2年以上の規格をクリアしたものには「クラッシコ」の格付けが与えられ、さらに12.5度
を超え3年熟成を経たものには「リゼルヴァ」の表示が許されます。アンティノリ社などが有名。
[97] ピータン(皮蛋)という中国の珍味。アヒルの卵を塩、石灰、木灰、などを混ぜ合わせた粘土で覆い、「もみがら」をまぶして
数ヶ月「かめ」などの容器に密閉して発酵させます。粘土中のアルカリ成分が卵内部に徐々に浸透してゆき、卵白は黒色の
ゼリー状になり、卵黄は緑褐色と黄褐色の同心円状の模様となり色の事をおけば見た目は綺麗?でもやっぱり不気味かな
匂いもかなり強烈のようです。本当にいろんな食べ物があるものです。
[98] 強いスピリッツのアルコール度数を下げ飲みやすくするものとして、その対象となる酒の成分・味わい・香りなどに必要以上
干渉しないものには<ソーダ(炭酸水)>があります。その次に頭に浮かぶものは<トニック・ウォーター(Tonic Water)>
でしょうか。キナという樹木の樹皮から取ったキニーネと、レモン・ライムの爽やかな香りをうつしとり甘味料で味をととのえた
無色のイギリス生まれの炭酸飲料です。もともと「トニック」とは強壮剤・滋養剤の意味がありますが、この飲料ももともとは
「薬用」の意味合いを持っていました。キニーネという成分が「マラリヤ」の特効薬だったことから植民地時代のインドでイギリス
人に愛飲されていたようです。ある時これにやはりルーツは薬用であった<ジン(Gin)>をミキシングしてみたところ美味しかっ
たことから広まり、今では<ジントニック>はジンの楽しみ方の定番とまでなっています。
[99] <ボージョレー・ヌーヴォー(Beaujolais Nouveau)>この新酒ワインは、ぶどう収穫後40日ほどで造られています。早飲み
タイプのワインの中でその地位、知名度、イメージとしてはだんとつでしょう。製造方式は、「マセラシオン・カルボニック方式」
という製法を用いる事により、苦味がおさえられた若々しい「フルーティ」な味わいとなります。この製法は収穫したぶどうを破砕
する前にまず密閉タンクに入れ発酵させ、その炭酸ガスの中に3~4日ほど浸漬させるボージョレー地域独特のものです。
日本語では「炭酸ガス浸漬方式」と訳されます。
[100] 5月の26日から始めたこの「ふ~んな話」も、おかげさまで約5ヶ月かかって100まで数を数えるまでになりました。m(_ _)m
というわけで記念すべきこの数字のお話はお祝いの席には付きものの<シャンパン>、それもシャンパーニュ地方において他
の追随を許さない高い名声を得ている醸造家<クリュッグ(KRUG)>について少し。製造されるラインナップは4銘柄。①<グ
ランド キュヴェ>シャンパーニュにおいては、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネの3種のぶどう品種をブレンドしておりま
すが<クリュッグ>においてはさらに20から25のヴィンテージからなる50種以上のワインをブレンドするその技術が、製品の高
い評価を支え続けている要因のようです。②<ヴィンテージ>はより重厚で力強い仕上がりで、飲み頃まで15年から20年を軽
く要するようです。③<ロゼ>色合いはかすかに褐色がかったピンク色。程よく心地よい果実味を持つものの、その味わいは
極めて辛口の仕上がり。④<クロ デュ メニル>は1.8haの自社所有畑で栽培されたシャルドネを100%使用した逸品。年間
1万5千本程しか製造されない希少品です。別名「ブラン・ド・ブラン(白の中の白)」と呼ばれています。
[101] イタリア・ピエモンテ州アスティ県で造られる発泡酒は<アスティ・スプマンテ(Asti Spumante)>と呼ばれます。2次発酵を
密閉タンクで行うキュヴェ・クローズ(シャルマー)方式で造られています。又これよりも発泡性が弱い「微発泡性(フリッツァン
テ)」の甘口ワインもこの地方では造られています。それは<モスカート・ダスティ(Moscato d’Asti)>で、同じように<モス
カート・ビアンコ種>を100%使用し「淡い黄金色」「マスカットの香り」「さっぱりとした甘口」のデザートワインです。
[102] 中国では「唐」の時代には在来種のぶどうを使用しすでにワインが造られていたようです。現在では西欧の技術供与や指導を
受けながら欧州種のリースリング、シャルドネ、ミュスカデ、マスカットなどの栽培も行われそのワインはなかなかの評価を受け
つつあるようです。又、出来上がったワインに桂花(金木犀)の花びらのエキスを添加し、熟成させた健康酒<桂花陳酒(クイホ
アチェンチュウ)>や肉桂などの薬草・香草・香辛料を加えて造られる中国版ヴェルモットとでも言う<張裕牌味美思(チャンユ
ウパイウイメイスー)>などのアロマタイズドワイン(フレーバード・ワイン)もあります。
この記載は2004年の5月から10月にかけまして雑学好きがこうじて作成したものです。
Part 2
[01] 「~のケイパー添え」というメニューは「さはん治」でも良く登場します。「ケッパー(Caper)」などとも呼ばれますが、この
チビ粒の正体は?これは「風蝶木(ふうちょうぼく)」という地中海沿岸を原生地とする低木の花のつぼみを酢漬けにした
もの。独特の香りがあり、肉や魚の臭みを和らげる効果があります。そのまま素材に散らしたりしますが、細かく刻んで
マヨネーズやドレッシングに混ぜて使うこともあります。「ケッパー・ケイパー(Caper)」は英語での読みかた。フランスで
は「Capre(カープル)」イタリアでは「Capperi(カッペリ)」と呼ばれます。
[02] 鶏卵には白いものと赤いものが有ります。ブランドの付いたものは別ですが、通常販売されているものにおいては赤い
ものが高値であってもそのものの価値が高い訳ではありません。品質的にも栄養価の点からも白いものと同じと言われ
ています。では何故に高いのでしょう。赤い卵を産む鶏は「名古屋コーチン」や「横斑プリマスロック」などが知られていま
すが、この鶏が白い卵を産む鶏に較べ、餌をたくさん食べるから結果高くなるのだそうです。
[03] イタリアワインにおいて辛口・甘口を見分ける表示には次の様なものがあります。「Dolce / Cannellino(ドルチェ/カッネ
リーノ)」=甘口。「Amabile(アマービレ)」=中甘口。「Abbocato / Semi Secco(アッボカート/セミ・セッコ)」=薄甘口。
「Secco(セッコ)」=辛口。「Asciutto(アスィット)」=極辛口。これらの分類はワイン中の残糖度により区別されています。
[04] 「ブーケガルニ」とは煮込み料理に欠かせない香味野菜の束のこと(⇒Part 1 [31] )。束にする香草はローリエ・ローズ
マリー・タイム・パセリの茎などですが、煮込んでいるうちにばらけたり溶け出してしまうのを防ぐため包み込む役割をする
のが「ポロねぎ」と呼ばれる西洋ねぎ。このねぎがなかなかすぐれもの。煮てもとろみが出たり煮くずれることがなく、また
生の時には辛味が強いものの熱が入ることにより甘みを出すという変化を付け足します。フランスではポワローと呼ばれ
ます。
[05] 「乾杯(かんぱい)」という言葉。宴の始まり、お酒の飲み始めには必ず交わされるお決まりの合図ですね。諸外国では
何と言われているのでしょう。ちょいと調べてみました。お隣り中国=「カンペイ」。スコットランド=「スランジバー」。アイル
ランド=「スロンチェ」。アメリカ=「チアーズ」。イタリア=「チンチン」。フランス=「ア・ヴォートル・サンテ」。ドイツ=「プロー
ジット」。ブラジル=「サウジ」。ハワイ=「ヒパヒパー」。ロシア=「ザ・ワーレ・ズダローヴィエ」北欧=「スコール」。中南米
=「サルー」。アラブ=「ベサラマティ」。などです。乾杯の音頭(ご発声)の文句が長い人は嫌われますが海外でも同じで
しょうか?
[06] イタリアの赤ワイン銘醸地といえば、ピエモンテ州とトスカーナ州とが挙げられます。ではまずピエモンテ州から。
主に栽培されるぶどう品種はネッビオーロ種とバルベーラ種となります。ネッビオーロ種でつくられるワインといえば「ワイン
の王・王のワイン」といわれるバローロ<Barolo>がその代表格。重厚かつ深みのある味わい、ビロードのようなのど越し
はワイン州法により義務付けられた最低3年の熟成により引き出されます。かのジュリアス・シーザーも大絶賛したとか。
同じぶどうからは幾分軽く、繊細なバルバレスコ<Barbaresco>も長期熟成タイプの州を代表する銘酒。こちらは最低2年
の熟成が義務付けられています。一方バルベーラ種でつくられるワインはベリー系の心地よい香りを持ち、酸味のやや強
い濃い色調を持つ赤ワイン。アルバ地区やアスティ郡のものが有名です。(トスカーナ州に続く↓)
[07] トスカーナ州の赤ワインといえば気軽に楽しめる分、バローロよりもやや知名度の高いキアンティ<Chianti>がその代表
格。サンジョベーゼ種をメインに使います。この他ブルネッロ種をつかった長期熟成タイプのブルネッロ・ディ・モンタルチー
ノ<Brunello di Montalcino>やモンテプルチアーノ地区でつくられるサンジョベーゼ・グロッソ種をつかったワインも近年評
価を上げてきているようです。またカヴェルネ・ソーヴィニヨン種、カヴェルネ・フラン種、メルロー種などを混醸してつくる
ボルドータイプのワインも、本家フランスに並ぶ高い品質が世界的に認められて人気が高まってきています。特にワイン法
による分類ではVdt(ヴィーノ・ディ・ターヴォラ)に分類される「スーパー・トスカーナ」という別名を持つソライア<Solaia>、
ティニャネッロ<Tignanello>、サッシカイア<Sassicaia>などがそれにあたります。
[08] ズッキーニという野菜。カポナータ(イタリア)やラタトゥユ(フランス)などの煮込み料理にはかかせませんし、グリルしても
美味しい野菜です。形はどうみてもきゅうりに近いのですが実はかぼちゃの仲間でウリ科。ペポかぼちゃの一種です。緑の
ものがよく目にする色ですが、黄色いものもあります。原産地はアメリカ南部、メキシコ。ズッキーニはイタリアでの呼び名。
フランスでは「クルジェット」と呼ばれます。又まだ現物を見たことはありませんが、丸い形の種類もあるそうですよ。
[09] キング・オブ・カクテル「マティニ」は以前(⇒Part1 [63])でもふれましたが、このカクテルはいかにドライに粋にかっこよく
やるかを100年ほどの歳月をかけて競われ続けているカクテルでもあるわけです。また「究極のレシピ」ではそのユーモア
のセンスまで問われる事で有名です。Part1.でスタンダードレシピが4:1と書き込みましたが、そのスタンダードでさえ8:1
がポピュラーなるレシピガイドもあり(なおかつ使用するジンは95プルーフであるべしとも)やはりこれが正解は無いカクテル
の筆頭である事は相変わらずなので「究極のレシピ」の方を付け足します。part1ではヴェルモットの臭いを嗅ぐだけ、ラベル
を眺めるだけというレシピを紹介しました。今回仕入れたレシピで少し真面目なものはヴェルモットをグラスに注いですぐに
捨ててしまうというもの。これもかなりドライですね。そして本当の(?)究極のドライレシピ。ジンを注いだグラスを片手に
「ヴェルモット」とつぶやくだけというもの。これ以上のドライはもう無いでしょうね。いや、今思いつきました。誰にも伝えず
「頭の中だけでヴェルモットのボトルを思い浮かべる・・・」というのはどうでしょう?
[10] シャンパン・シャンパーニュ(Shampagne)① フランス・シャンパーニュ地方でつくられたの発泡性ワインの事をシャンパン
と呼ぶ事はもうほとんどの方がご存知であろうと思いますが、ワイン同様このシャンパンもなかなか面白いのでシリーズで
掘り起こしていってみたいと思います。
発泡性ワイン(スパークリング・ワイン)の中でも特にフランス北東部に位置するシャンパーニュ地方でつくられたもののみ
が「シャンパン」と呼ぶことを許されています。これはシャンパンという名称が世界的にも確固たる地位を築いている現状に
おいて、他の地域の生産者(フランス以外の国でつくられるものは元から除外しますが)からすると排他的であるという考え
方も有るでしょうが、シャンパンの作り手達の「自分たちのつくるワインに対する深き愛情と、自負そして責任の表れ」と見る
事が妥当でしょう。
この地方で生産されたものである事はまず第1の条件ですが、この他にもクリアしなければならない2つの条件があります。
それは使用するぶどうと、製法です。ぶどうは限定された地区で収穫された白ぶどうのシャルドネ、黒ぶどうのピノ・ノワール
ピノ・ムニエの3種でなければなりません。醸造方法は「瓶内二次発酵」を行う「シャンパーニュ方式」と呼ばれる製法を取り
ます。これら3つの条件をクリアして彼らも又初めて「シャンパン」という名称で出荷している訳です。
[11] シャンパン・シャンパーニュ(Shampagne)② 発泡性のワインがどの様にしてこの世に誕生したのか、という説にもいくつか
あるようです。その一つは17世紀の終盤にオーヴィレール修道院の醸造長、ベネディクト会の修道士「ピエール・ペリニョン
(ドン・ペリニョン)」が創始者とする説。彼が発酵の終えていない瓶にたまたまコルクをして放置します。瓶内発酵は続き、
気密性の高い瓶とコルクにより行き場を失った炭酸ガスがワイン中に溶け込みスティルワインとは口当たりのまったく異な
ったものが偶然出来たというものです。しかし別の文献には17世紀以前に既に別のフランシスコ会修道士によって発泡の
現象自体は発見されていたという説もあるようです。現在のものに近い発泡性ワインの成立に不可欠なガラス瓶の登場が
1630年、コルクの使用もこの頃からということですからどちらにしろ誕生の時期はこの頃と考えるのが一般的なようです。
[12] ビーフ・ステーキ、ハンバーグ・ステーキ。たまに見かけるのではサーモン・ステーキやまぐろステーキ。変わりどころでは
トーフ・ステーキなどで使う「ステ-キ」とはどういった意味合いの用語なのでしょう。ステーキ(Steak)これは英語で「厚め
に切った肉」という意味があるようです。ただ「サイコロ・ステーキ」という料理もあることから、料理方法としての呼び名の方
が一般化しているのでしょうか。料理方法としての使われ方は、同じ焼くと言っても「直火」ではなく鉄板などの平らな上で
焼くという意味で、直火で焼く方は「グリル」とい呼び方がありますね。
[13] ワイン造りに使われるぶどう。この農作物は有史以前から地球上に自生していたとされており、比較的栽培も容易な作物
であるといわれています。ただし農作物である以上、またワインという最終製品の品質を高いところに保つためには栽培に
適した環境というものがあります。まず土壌は水はけの良い土地が良いとされます。そして気温は年間の平均気温として
10℃から20℃の間で、さらに言えば16℃以下が望ましいようです。この温度を地球の緯度で考えてみると、北半球であ
れば北緯30度から50度。南半球であれば南緯20度から40度でこの平均気温は得られ、世界の主なワイン生産地はほ
ぼこの帯の中に納まるようです。自然環境の内最も重要な要因のこの「気温」の他「日照時間」「降雨量」もぶどうの生育に
は深く関わり、こちらはその年ごとのヴィンテージに影響を及ぼします。
[14] シャンパン・シャンパーニュ(Shampagne)③シャンパーニュ地方はパリの北東150kmに位置し、フランスの優良ワイン生
産地の最も北に位置します。地区としては<ランス>周辺の<モンターニュ・ド・ランス>。<エペルネ>をはさんで北
に位置する<ヴァレー・ド・ラ・マルヌ>と南に広がる<コート・デ・ブラン>。さらに南にさがって、オーブ川にまたがる
<オーブ>の4地区です。総栽培面積は約3万haということです。
[15] 1855年のボルドー格付けにおいて、唯一<ソーテルヌ(Souternes)地区>からプルミエ・クリュ・シュペリュール(特別
第一級)に選ばれた<シャトー・ディケム(Ch. d' Yquem)>(⇒part.1 [37])。長命であり、繊細、深みのある味わいでの評価
はもちろんですが希少であり高価であることでも有名なワインです。そのあたりをさぐるいくつかのお話を・・・。
<シャトー・ディケムのこだわり①>113haのぶどう栽培地。1haあたり1000本の樹が植えられていますが、この1本の
樹に2房のぶどうしか収穫できないように剪定を行い、1粒1粒の実の濃度を高めます。そしてさらにこれを貴腐化させる
わけですから、その重量は本来のものの5分の1にまで減る事になります。これはぶどうの樹1本からグラス1杯分のワイン
しかつくる事ができない事を意味します。
[16] 化粧という意味もある「ドレッシング」。ドレッシングに使う油は、通常植物を原料としています。製法は圧搾法と抽出法の2
種類ですが、この2つの方法を組み合わせた製品もあります。オリーブオイルは圧搾法で作られますが、油分が多いもの
で60%も含まれる「エクストラヴァージン・オリーブオイル」はオリーブの実の1番搾りの果汁です。そうオリーブのジュース
なんですね。この果汁と精製オリーブ油を混ぜたものが「ピュア・オリーブオイル」。エキストラヴァージンオイルは加熱に
よって命でもある風味・香りが飛んでしまう為、加熱を要する調理の際は通常ピュア・オリーブオイルを用いる事が多いよう
です。
[17] <シャトー・ディケムのこだわり②>ぶどう収穫前に3つの理由から実を覆う東側の葉を剪定します。これは風通しを良くす
る事により実を貴腐化させる大前提の「ボトリティス菌」の増殖を助ける為が第一の理由。そして収穫する際はボトリティス
菌がたくさん付いている実だけを選別して摘み取るわけですが、この細かい作業をしやすくする為。そして細心の心配りを
持ってぶどうの実を観察する最終段階の時期ですから、何よりぶどうの実を観察しやすくする為。以上の理由から行われ
る作業です。
[18] シャンパン・シャンパーニュ(Shampagne)④シャンパンに使用する3種のぶどうのうち、2種はピノ種であり黒ぶどうです。
このぶどうから無色の果汁を得るために生産者は細心の注意を払います。まず収穫は機械による作業を禁止し、全て手
摘みで行われます。そして摘まれた後においても実の果皮との接触を出来るだけ最小限にする為、圧搾所を増やし移送
時での接触も出来るだけ抑えます。そして圧搾は「ドン・ペリニヨン」が考案したと言われる伝統的な「コカール式」(木製の
垂直型プレス機)を用い緩やかに、しかし迅速に効率良く行われ、ここでも出来る限り果皮と果汁の接触を抑えます。
圧搾機はこの要件を満たす近代的な「プヌマティック・マンブラン式」というものも現代においては用いられます。
[19] シャンパン・シャンパーニュ(Shampagne)⑤4000㎏のぶどうを圧搾してまず1回目に得られる果汁は2050リットル。この
果汁の事を「キュヴェ」と呼びます。言うならば「一番搾り」でしょうか。2回目の圧搾から得られる果汁は「タイユ」と呼ばれ
ここまでがシャンパンに使用する事が許された果汁です。かつては3回目の圧搾果汁も使用する事が認められていました
が90年代の前半に公式に廃止されました。ただ品質にこだわる規模の小さなネゴシアンや小規模経営の優良栽培醸造家
においてはそれ以前から3回目はもちろん「タイユ」さえも使用せずに品質を追求していたところもあったそうです。
[20] 人の手によって初めて造られた調味料は「酢」と言われています。通常醸造された「酒」を元に「酢酸発酵」させて造られま
す。ワイン自体が紀元前から有った事を考えればこの調味料もかなりの歴史を持つのではないかと推測できます。英語で
は<Vinegar>と表記されますがフランス語では<Vinaigre>となります。これはvin(ワイン)とaigre(すっぱいの意)を
つなげた言葉でもあり、由来を明確に示すものでもありますね。
[21] ちなみに↑ワインから造られるからワインビネガー。その他のお酒からは?我が日本酒からは「米酢」。イギリスではビール
から「モルトビネガー」。ドイツではシードルから「りんご酢」といった具合。最近の健康志向から人気の「黒酢」は小麦や米、
玄米などをもちいて醸造した「穀物酢」という分類に入ります。又ワインビネガーといえばイタリアの「バルサミコ」こちらを
参照してください。(⇒Part1[30])
[22] デキャンタージュという赤ワインを飲む際の技法があります。これは、ワインをグラスにボトルから直接注ぐ前に別の容器に
移し替える作業のことです。この作業の意味として主に2つの要因が挙げられます。長期熟成型のワインは瓶内でも熟成を
続けていますが、その際に瓶内に「澱」が生じます。これはワインと一緒に飲んでも特に害があるわけでは無いのですが
、口当たりが悪い為ワイン本来の味わい・喉越しなどに少なからず悪影響を与えます。故に取り除きましょうという事。
もう一つの意味合いは、デキャンタージュを行う際に空気に触れさせる事によってブーケを引き出す為です。またこの時、
酸化させることによりタンニンがまろやかに変化するという効果もあるようです。
[23] 史上最古のウイスキー誕生の地といわれる「アイルランド」。1725年の「麦芽税」の影響を極力少なくする為、原料は麦芽
の使用を出来るだけ抑え、その代わりとして未発芽の大麦麦芽、ライ麦、小麦などが使用されました。この時の試行錯誤
が現在の「アイリッシュ・ウイスキー」の味わいの大きな特徴になっています。この他にも2点ほどアイリッシュ・ウイスキー
の特徴となる重要な要因があります。その1つめ。アイルランド島はスコットランド島と違い、麦芽乾燥に豊富な石炭が
使用できた為「ピート」を使用する必要が無く、結果ピート香が着かない麦芽を原料にすることになります。これはスコッチ・
ウイスキーの特徴でもある、「スモーキーフレーバー」が無いと言う事を意味します。さらに蒸留は通常単式蒸留器で3回
行われ、85度もの蒸留液を得る為、アルコール以外の副成分、つまり雑味の少ないウイスキーとなり、これもアイリッシュ・
ウイスキーの特徴「軽やかさ」の要因となります。まさにその時代や土地柄が酒をつくるのですね。
[24] 「澱」の話が出ましたが<↑22>これは瓶内熟成の際にその役目を終えた酵母のなきがらと言われています。南無。
不純物などイレギュラーなものを除いて、ワインの不溶性の沈殿物にはもう一つあります。それが「酒石」と言われるもので
す。これはワインの成分中の「酒石酸」がカリウムと結びついて結晶化したもので、澱同様害は無いのですが舌触りが澱と
は比較にならないほどよろしくありません。で、対策としてやはりデキャンタージュをするか或いは澱よりは重さがある為
そっと注いでゆけば最後にはボトルの肩でせき止める事ができます。肩の無いブルゴーニュ型はどうするんだ?・・・考え
ておきます。ちなみに酒石はぶどうの当たり年のワインに出やすい為「ワインのダイヤモンド」などとも呼ばれます。
[25] そのままでももちろん、カクテルレシピのアイテムやハード・スピリッツを割る目的でも頻繁に顔を出す「ジンジャエール」
とはどんな飲み物?文字通りメインにジンジャー(生姜)の香りと辛味をつけて、カラメルで着色した炭酸飲料の名称です。
現在国内では「カナダドライ」と「ウィルキンソン」の2銘柄が良く知られたブランドです。食前酒代わりにお飲みになる方も
いらっしゃいますので、さはん治では若干辛口でキレのある「ウィルキンソン」をご用意しています。
次回開催:11月30日(水)20:00~
音楽無料(投げ銭大歓迎!スタイル)
さはん治で結成された「スィング・ポタージュ」。ジャズスタンダード、ボサノバ、ポップス、ソウルなど幅広いジャンルの演奏を聴かせてくれます。
生演奏の醍醐味をお楽しみください。
ミニセッションも開催されます。